米海軍航空服の中でも、G-1とはまったく異なる方向性を持った異色の名作。一般には「WEP Jacket」あるいは「G-8」の呼称で知られる、U.S. NAVYのウィンター・フライング・ジャケットです。
正式な系譜上の名称は初期型で「JACKET, WINTER FLYING SUIT」、後期のMIL-S-18342Cでは「JACKET, SUITS, FLYING, WINTER」。通称「J-WFS」と呼ばれ、ジャケット単体ではなく冬季用フライングスーツの上衣として開発されたモデルです。実際にMIL-S-18342Aの官給品が「Jacket, Winter Flying Suit」と表記されていたことも資料から確認できます。
「WEP」という名前は正式なモデル名ではなく、海軍航空装備を管轄したBureau of Naval Weaponsに由来する通称。また「G-8」も広く定着したコレクター/市場上の呼称です。1950年代のMIL-S-18342からA、1960年代のB、Cへと発展し、長期間にわたり海軍・海兵隊航空部隊で使用されました。
本個体は残念ながらコントラクトラベルが取り外されているため、製造年およびMIL-S-18342のサブタイプを断定することはできません。 しかし、オリーブ系ナイロンシェル、ニットカラー、大型の胸ポケット、ショート丈、CONMAR製ジッパー、内部に残るフライングスーツとしての特徴など、WEPならではのディテールを存分に楽しめる実物ヴィンテージです。
そして、この一着の魅力は何よりもその圧倒的な“使われた姿”にあります。
フロントには塗料のような付着汚れ、シミ、擦れが点在し、袖口や襟のニットにもダメージが見られます。CONMARジッパーにも経年による変色があり、ライニングにも汚れや経年変化が存在。コントラクトタグは綺麗に取り外されており、パッチ類も残っていません。
まさに新品には絶対に作れない表情です。
実際の搭乗員によって使用された可能性を強く感じさせる個体ですが、タグやパッチが取り外された理由、着用者の所属・職種については資料が残っていないため断定はできません。 海軍航空では戦闘機だけでなく、攻撃機、哨戒機、輸送機、ヘリコプターなど幅広い航空要員が存在しており、この個体についても特定の機種や部隊に結び付けるより、「実際の海軍航空服として使い込まれた雰囲気を濃厚に残した一着」と捉えるのが適切でしょう。
WEP自体はもともと冬季用フライングスーツの一部として設計された防寒航空服で、ジャケットとトラウザーズを組み合わせて使用する思想を持っています。その後、搭乗員からジャケット単体でも愛用されるようになったことが知られています。
中綿を備えたボディはしっかりとした保温力があり、日本の冬にも十分実用的。極端に短い着丈、大きな胸ポケット、ニットカラーという独特のバランスは、MA-1やL-2系ともG-1とも違う、NAVYフライトジャケットならではのシルエットを生み出しています。
状態はUSED。全体に着用感があり、シェルにはシミ、汚れ、塗料状の付着、擦れ等があります。襟・袖口ニットには穴やほつれ等のダメージが見られ、ライニングにも汚れ、経年変化があります。コントラクトタグは欠損。CONMARジッパーは経年変化がありますが、本個体のヴィンテージらしい存在感を一層引き立てています。
綺麗なデッドストックとは正反対の魅力を持つ一着。
海軍航空の現場で使われてきたことを想像させる傷、汚れ、褪色。そのすべてを含めて、ヴィンテージのWEPに求めたい凄みが詰まった個体です。
中古品ですので返品はできません。ご了承ください。
サイズ(平置き)
肩幅:50cm
身幅:60cm
着丈:62cm
袖丈:66cm
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